春、ほどける
2025-02-14
春、ほどける。

ひと枝、ふた枝、
静かだった冬の指先が
ゆっくりとほどける。
朝の光に、白が滲む。
ふわりと開いた梅の花。
遠くで鳥の羽音、
ほどける時間のひびき。
『春が、揺れた。』
そんな気がして、
そっと足を止める。
風が吹くたび、
空気がすこし、やわらかくなる。
だけど、まだ寒さは残っていて、
足元には冬の影が、
そっと息を潜めている。
凍てついた水たまり、
落ち葉に残る名残の色、
コートの袖口に残る、指先のかじかみ。
それでも、枝先の花は静かにひらいて、
何も言わずに、春の気配をほどいていく。
何かが変わるときって、
きっとこんなふうに
気づかないうちに、
静かに訪れるのかもしれない。
#春、ほどける
#梅の花
#うつろう季節
#ほどける時間
#高橋直純
#高橋直純の冬

ひと枝、ふた枝、
静かだった冬の指先が
ゆっくりとほどける。
朝の光に、白が滲む。
ふわりと開いた梅の花。
遠くで鳥の羽音、
ほどける時間のひびき。
『春が、揺れた。』
そんな気がして、
そっと足を止める。
風が吹くたび、
空気がすこし、やわらかくなる。
だけど、まだ寒さは残っていて、
足元には冬の影が、
そっと息を潜めている。
凍てついた水たまり、
落ち葉に残る名残の色、
コートの袖口に残る、指先のかじかみ。
それでも、枝先の花は静かにひらいて、
何も言わずに、春の気配をほどいていく。
何かが変わるときって、
きっとこんなふうに
気づかないうちに、
静かに訪れるのかもしれない。
#春、ほどける
#梅の花
#うつろう季節
#ほどける時間
#高橋直純
#高橋直純の冬